こんにちは、救命士学習塾講師のHARUです。
僕も塾長と同じで救急救命士東京研修所(エルスタ)の卒業生です。
救急救命士の運用が始まってから10年以上のキャリアを持ちます。
今回は”救急救命士の役割”について語ろうと思います。

って、疑問に思いませんか??
今回は救急救命士の役割のポイントをお伝えします。
参考にしてみてください!!
・【救急救命士の役割①】命を救います
・【救急救命士の役割②】救急現場の状況を傷病者に替わって代弁します
・【救急救命士の役割③】傷病者の状態にあった、病院に搬送します
・【救急救命士の役割④】救命率を上げるために、市民を育てています
・【救急救命士の役割⑤】救命率を上げるため救急救命士自身を育てています
・救急救命士の必要性を知りたい人
・面接対策で救急救命士の役割を的確に答えたい人。
・救急救命士の救急車に乗る以外の役割を知りたい人。

救命士の役割って実際どんなことをしているのかな??
私のイメージは救急車に乗って、救急現場から病院まで傷病者を搬送していることなんだけど・・・。
救急車に乗っているだけが救命士の仕事なの??
実際、ドクターが救急車に乗る方が助けられる命って多いって思っちゃうんだ!!
どうしてドクターが乗らないんだろう??
考えれば考えるほど、救命士の役割ってぼやけてきちゃうんだよね・・・。

救急車に乗っているだけって見えちゃうかもだけど、実際には奥が深いんだ!!
それと、確かに、ドクターが救急現場に行って処置をした方が、救命率は高くなるだろうね・・・。
でも、昔から深刻な医師不足なんだよね。
不足しているから、ドクターが救急現場に出てしまうと、病院にドクターがいなくなって、病院機能が回らなくなっちゃうんだよね・・・。
それで救急現場の専門家として救急救命士制度ができたんだ。
その救命士が救急現場の専門家として、どのような役割があるのか、この記事でズバッと書いていこうと思います。

HARUがその救急現場の専門家だから、これほど説得力のある解説はないね!!すごく楽しみ✨

一番大切な役割は救命士が命を救う事なんだ!!
命を救うことをコンセプトに考えていくと救命士の役割は理解しやすいと思うよ!!
この記事は、「救急救命士の役割」について5つにまとめました。
解説していくね!!
目次
【救急救命士の役割①】命を救います

救急救命士は救急車に乗って命を救うことができます。
なぜならば、医師の指示をもらって医療行為ができるからです。

救急現場に駆けつけてくれる医療従事者で医療行為ができるのは、救急救命士のみとなります。
その医療行為ができる、条件というのが、
①CPAであること。
②CPAになりそうな可能性があること。
※CPA:心肺停止状態であること。
になります。
この条件を満たしているときに、はじめて特定行為(医療行為)として、ドクターに指示をもらって行うことができます。
救命士は特定行為(医療行為)を行って、救命をしています。全国的に見て「救急車が来てくれたから命が助かった」っていうことは多々あります。
しかし、その反面、残念ながら助けられないこともあります。

え??そうなんだ・・・。救命士っていつも救命してくれているものばかりだと思っていたよ・・・。

現実問題、救命は難しいっていう事案もあるんだよね・・・。
あきらかに救命は無理だって思うこともありますが全力を尽くします。
なぜなら、最期を家族一緒でむかえさせてあげたいから・・・。
家族にはそれぞれの想いがあって、その家族にしかわからないことってたくさんあると思うんだ。
楽しかったこともそうだし、悲しかったこと、辛かったこと・・・。いろいろなことを乗り越えたからこその「家族」だから、その最期をきちんと家族全員で迎えさせてあげたいって思うんだよね。
その思いに駆られることがあったんだ・・・。
3年前、高齢の男性をCPAで搬送したときの話になるんだけど、奥さんが外出中に自宅で倒れて、娘が発見して救急要請した事案になるんだ。
奥さんは外出中だったから、娘が電話で連絡して病院に駆けつけてくれたんだ。
残念ながら、救命はできなかったけど、ご主人の最期を奥さんは一緒に過ごすことができたんだ。
奥さんが手を握っている中で、ご主人は息を引き取っていたよ。
手を握りながら「もっと優しくしてあげればよかった」って叫んだいたよ・・・。
引き上げる時にあいさつしたら、「私たちのためにありがとうございました」って言って下さってね・・・。
そのとき、「私たち」って言ってくれたことが凄く印象深くて・・・。
救命だけでなくて、家族のつながりを最後まで切ったらだめだなって思った1件だったね。
僕は、この仕事をしていて、それをより強く感じたんだ・・・。
救命士の役割は、救命をすること、家族のつながりを守ることです。
【救急救命士の役割②】救急現場の状況を傷病者に替わって代弁します

救命士は現場や傷病者の状況をドクターに伝えるため、こまかに状況を把握します。
なぜなら、ドクターが救急現場にいないため、傷病者の治療に必要なことを伝える必要性があるからです。


しかし、重症の場合や意識がない場合は自分自身で伝えることはできません。


救命士は現場の状況をいち早く把握していくため、予測しながら現場活動をしています。
事故の大きさを見れば、傷病者のケガの具合もある程度把握できます。
把握した中で傷病者に接すると、傷病者の痛みや辛さがわかり、寄り添えます。
救命士はこのように現場や傷病者の状況を把握して、ドクターに伝えて、治療につなげます。
伝え方は、まさに五感に訴えるようにリアルに伝えることだね!!
少しオーバーに伝える方が、緊迫感があっていいです!!

そうやって救命士は、現場や傷病者の状況を把握しているんだね・・・。すべては治療につながるんだね!!

それは、救命士にしかできないことだからね!!
救命士の役割は、ドクターが救急現場にいないので、現場や傷病者の状況をドクターの五感に訴えるように伝えることです。それが傷病者の有効な治療につながります。
【救急救命士の役割③】傷病者の状態に合った、病院に搬送します

救命士は傷病者の状態を見逃しません。
なぜなら、傷病者の状態に合った病院に搬送しないと治療が遅れるからです。

極端な話をします。
たとえば、傷病者にこんな症状が出ていたとします。
ちょっと考えてみてください。
60歳男性。
頭痛があり、血圧が高い。徐脈も観察される状態
だったとしたら、賢明な「あなた」なら脳神経外科対応の病院を選定しますよね??
間違っても、循環器系の病院には搬送はしません。


また、救命士が搬送病院を誤ったせいで、後遺症や命に関わる状態になったら、傷病者や傷病者家族から訴えられる可能性があります。
慎重にならないといけませんが、救命士の役割の観察能力を磨いておけば問題はありません。

その観察結果から、病院を選定するってことなんだね!!
参考までにですが、消防法でもこのように書かれています。
消防法
第一条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。
つまり、傷病者を適切に搬送することは、法律でも決められていることなのです。

救命士の役割は、的確な観察能力で観察結果から適切な病院に搬送することが必要になります。
【救急救命士の役割④】救命率を上げるために、市民を育てています

救命士は救命率を上げるため、市民に救命講習の普及を行っています。
なぜなら、救急車が現場到着までに全国平均で8.7分かかっていて、その間に市民に処置を行なってもらわないと救命できないからです。
この資料は、消防白書(全国の消防の統計を集計したものになります)


CPAになった時に、何もしなかったら、1分経過するごとに救命率は10%ずつ低下していくからです。
つまり、救急車が現場到着する8.7分間に何もしなかった場合は、救命率は10%程度になっていて、ほぼ救命することはできません。
しかし、その場に居合わせた、市民に救急車到着までCPRを行ってもらうと、救命率は倍近く上がります。
※CPR:心肺蘇生法

一人でも大くの人を救命しないといけないから、もっともっとCPRできる人を増やしていかないといけないね!!
救命士の役割は、救命率を上げるため、市民を対象に救命講習を行います。
【救急救命士の役割⑤】救命率を上げるため救急救命士自身を育てています

救命士は救命士に対しても教育を行っています。
なぜなら、救命率を上げるためです。


解説すると、新しくできた「指導救命士制度」なんだ。
指導救命士とは、救命士に指導するための救命士になるんだよね。
その要件とは、下のようになります。
この資料は総務省消防庁が出している、指導救命士の要件になります。
※指導救命士の大枠はこのようになっていますが、細かいところになると、各地域のメディカルコントロールで決められています。(メディカルコントロールとは、救命士の救急活動を検証したり、活動上のプロトコールを作成する、医師、消防が集まった組織です)

だから、救命士自身で教育ができるように法制化されて実現となったんだよね!!
つまり救命士自身が救命率を上げるための教育を行っているんだ!!

指導するにあたって、さらなる知識が必要となってくるだろうから、大変だね💦でも、自分の指導で、救命率がアップするのだから、やりがいはメチャクチャありそうだね!!
救命士の役割は、救命率アップのため、指導救命士が指導を行っています。
まとめ
【救急救命士の役割①】命を救います
【救急救命士の役割②】救急現場の状況を傷病者に替わって代弁します
救命士の役割は、ドクターが救急現場にいないので、現場や傷病者の状況をドクターの五感に訴えるように伝えることです。それが傷病者の有効な治療につながります。
【救急救命士の役割③】傷病者の状態にあった、病院に搬送します
救命士の役割は、的確な観察能力で観察結果から適切な病院に搬送することが必要になります。
【救急救命士の役割④】救命士の役割は、救命率を上げるため、市民を対象に救命講習を行います。
【救急救命士の役割⑤】救命士の役割は、救命率アップのため、指導救命士が指導を行っています。

救命士の役割って人を助けるため、救命率アップのためにはなくてはならないものだね・・・。

本当にそうなんだよね。
気軽に「救急現場にドクターが行った方がいいんじゃないの」って思われるかもしれないけど、救命士の観察能力も決して引けを取らないと思うんだ。
(ドクターのみなさま強気な発言してすいません💦)
僕はドクターが求めてきていることに、救命士が近づいて行っていると思っているよ!!

向上心もあるから、常に学ぼうとしているよね。そのことで救命士のレベルが上がってきているよ。
だから私たちが安心して暮らせていけているんだよね!!
いつもありがとうね!!
これからも、大変だけど、がんばってね!!
でも実際、救急現場に行っているのは救急救命士・・・。
じゃあ、救命士の役割って何なんだろう??