こんにちは、空飯(→プロフィール)です。
劇場版「鬼滅の刃」ですが、
僕の周りでも「泣いた!」「人生を考えさせられた」
と、大反響でした。
特に、命と直接向き合う機会が多い「救急隊」「救命士」には何か感じ取れるもの、考えさせられるものがあったのではないでしょうか?
今回はそんな「現役救急隊」「救命士を目指す人」に向けた内容です。
鬼滅の刃からは救急隊員の心構えが学べます。
これだけ多くの人に見てもらえる映画なら、多くの消防士の方も見ていただけたと思うので、僕の考えをお話しできればなーと思います。
もくじ
鬼滅の刃の社会的意義
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実は、この映画がヒットすることは、社会的意義が非常に大きいのです。
この映画は、ジブリや新海誠作品を超え、”歴代1位”を取りました。
![映画の興行収入ランキング](https://qqqmeisi.com/wp-content/uploads/2021/01/a4a98affc4e4cbd396ab932de327d69a.png)
(2020.1.13現在)
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「コロナだからどうせ無理だよ」
ってのは、ただの言い訳だってことが証明されてしまったのです。
(他の映画が、そんな言い訳して、ことごとく延期になってくれたおかげで一人勝ちできてしまったわけですが・・・)
そういう意味で、この映画がヒットすればするほど、コロナによって停滞した経済をもわす着火剤となり得るのです。
なので、非常にベストなタイミングでの公開だなぁと感じました。
鬼滅の刃の軸となるテーマ
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ところで、この「鬼滅の刃」という作品の軸となっているテーマとして、
- 家族愛
- 男性性と女性性の結合
- 夜明け
- 昭和的価値観VS平成的価値観
- バトンリレー(新時代のチームプレイ)
などがあります。
ワンピースは、
圧倒的に高い夢を持って、仲間と一緒にロマンを求める物語ですが、
一方で、鬼滅の刃は、目の前の小さな愛(家族愛)をとても大事にしています。
例えば、「兄弟愛」もそうですが、今回の映画に限定するなら、
「親子愛」
というのも、テーマなのかなと感じます。
今回の準主人公の煉獄も、
父、母とのやりとりが頻繁に出てくるし、
そして煉獄は、炭治郎にとっての「父親」代わりとなる存在なのです。
主人公の炭治郎は、若くして両親を失います。
しかし、
この作品(鬼滅の刃)全体を通して、
「親代わり」
を果たしてくれる人が数多く出てきます。
例えば最初、富岡義勇は、
「殺生与奪の権を他人に握らせるな!!」
と言い、主人公の自立を促そうとします。
その後、鱗滝左近次も、主人公を育て、自立するように促し、
さらに、ねずこが鬼とわかって処分されそうになった時、
「ねずこが人に襲い掛かった場合、腹を切ってお詫びいたします。」
と自らの命をかけてまで守ってくださいました。
さらに今回の映画では、煉獄が父親がわりになって、
「胸を張って生きろ。己の弱さや不甲斐なさに、どれだけ打ちのめされても、心を燃やせ!」
という言葉を主人公に残します。
この言葉は、主人公にとっての生きる指針となり、その後も、どんなに苦しい時でもこの言葉を思い出し、心を燃やして戦い続けることができたのです。
これが、鬼滅の刃のテーマの1つである、
「バトンリレー(新時代のチームプレイ)」
です。
救急隊にも大事なバトンリレー(新時代のチームプレイ)とは?
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鬼滅の刃は、かなり重要なキャラクターが、あっさりとどんどん亡くなります。
だけど、必ず何かを残して死んでいくのです。
”鬼”は人間にとっては圧倒的な存在で、1:1だと勝てません。
ここからがバトンリレーなのですが
最初は1:1で戦うことになったりします。
その時は出来る限りのことを全力でやり切るのです。
そして「もうダメだ・・・」ってなると次の人にさっとバトンを渡します。
そうやって、いろんな人が戦って、チームで勝っていく。
これが「鬼滅の刃」の戦い方です。
なんだか「救急の命のリレー」に似てませんか?
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ワンピースは、チームで戦っているようで、実は1:1なことが多いのですが、
鬼滅の刃は、最初は1:1で戦うんだけど、勝てないと分かったらすぐに次にバトンをつなぎます。
時には、自分の命を投げ出してでも、次の人が有利に戦える状況を作ったり、あるいは、「意思」を託したりします。
そうやって、チーム全体が1つの生命体となり、巨大な敵を倒していく物語なのです。
救急隊が傷病者を救うのではなく、命のバトンをどんどんスピーディー、かつ、適切につないでいく。
そうやって大きな敵(傷病者を苦しめている根源)に打ち勝つ。
救急隊の視点からこのようなことを学べました。
![](https://qqqmeisi.com/wp-content/uploads/2018/02/77_syota.jpg)
と。
余談
こんなネタもあります↓
炭治郎達は鬼という名の病と戦っていたのか…すごい… pic.twitter.com/lvAKiKT9sW
— しゃる (@Charlotteshiten) January 14, 2021
鬼滅の刃が人気の理由
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鬼滅の刃という作品は
ストーリー自体は非常に単純です。
敵が現れ、その場所に出向き、戦い、倒す。
ただそれを繰り返すだけで、
緻密な伏線が張られていたり、
大どんでん返しが起こったりとか、
そういうのはほとんどないです。
じゃあ、どうしてこんな時代に求められているのか?
それは
敵・味方問わず、一人一人の「生き様」を
本当に丁寧に描写しているからです。
主人公も、戦いながら、内面を細かく描写しているし、
一人ひとりのキャラクターが決して万能ってわけではないけど、
それぞれが「信念」をもっていて、
それを最後まで貫く・・・
その生き様に”惚れる”のです。
とにかくセリフがかっこ良い
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そして、とにかく「セリフ」がかっこ良いのです。
本当に「名言」が多いなと感じます。
特に今回、心に響いたのが、このシーン。
「胸を張って生きろ。己の弱さや不甲斐なさに、どれだけ打ちのめされても、心を燃やせ!」
めっちゃ普通のことを言っているようなんですけど、
「心を燃やせ」
って、意外とこういう表現って、あんまり聞いたことないんですよね。
あぁ、心って、燃やせるんだ、みたいな。
でも言われた、すごくしっくりきます。
この台詞を言ったのは
「煉獄」というキャラで、
この人は初めてアニメに出てきたときは
「うわー、こいうUZEEEEEーー!!」
って感じなんですけど、
見れば見るほど、どんどん好きになっていきます。
落ち込んでいる人とか、
人生に行き詰まっている人とか、
逆に、人生うまくいきすぎて退屈だなって人は、
映画で、この台詞を聞いて、
心に染み込ませて欲しいなと思いますね。
特に今回の映画は、映像も音楽も素晴らしすぎるので、
アニメの迫力ある戦闘シーンの後、
最高のBGMとともに、さっきのセリフが出てきたら。
心にグサー!っと刺さります。
周りで嗚咽して泣いている人がいました笑
見たら絶対、
「あぁ、おれ、煉獄に比べたら、全然心燃やせてないわ・・・頑張ろう・・・!」
って思えるはずです。
自分が倒すことがゴールではない
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「自分が倒す」ことがゴールではない。
だから、煉獄は最後、
「役目を全うした」
と自信を持って、母に語りかけることができたのです。
何か結果を出したかどうではなく、
「最後まで、心を燃やし続けた」
だからこそ、自分の人生に誇りを持てるのです。
救急隊に置き換えるなら、
「最後まで諦めずに傷病者や家族に最善を尽くせたか」
と言えるのではないでしょうか?
煉獄の熱い生き様を見たら、
「自分がいかに熱くない生き方をしていたか」
を思い知らされますね。
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熱い生き様、そして心を燃やし続けた先にある「夜明け」の美しさを、是非とも体感して欲しいなと思います。
いつも記事を読んでいただいてありがとうございます。
救急隊を尊敬し、救命士を目指す人を心底応援しております。
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