BURP法とは気管挿管で声門を確認しやすくする方法
喉頭展開時、声門が確実に視認できない場合に用いる方法。
甲状軟骨を圧迫して、声門を視認しやすくする。
BURPは
B:Back(後ろに)
U:Up(頭側に)
R:Right(右に)
P:Pressure(圧迫する)
の頭文字をとって名づけられた。
甲状軟骨を上下、左右に移動させると声門の位置を移動させられる。
(つまり声門を見やすくさせることができる=気管挿管しやすくなる)
BURP(バープ)法の概要
BURP(バープ)法とは、介助者の右手で患者の甲状軟骨(輪状軟骨ではないことに注意)を押さえてもらう手技。
後方(Back)→上方(Up)→右方(Right)(挿管実施者から見て右)に動かして、押さえる(Pressure)と、喉頭展開時に声門を見やすくできる可能性がある。
喉頭蓋が起き上がってこない場合にも使用される。
なぜ、右方に動かすのかと言うと、喉頭鏡は患者の右口角から挿入されて正中に向かってくるので、それに対して右方向に甲状軟骨を押さえることで、喉頭鏡がより深く入ったような効果を出すことができるためと考えられる。
喉頭鏡を喉頭蓋の上のところまで正しく挿入したが、口頭展開時に前方に押し出しにくい時には、介助者にBURP法を加えてもらうと、施行者はほとんど喉頭鏡を前方に押し出さずに声門部が確認できる(硬派の先生には「邪道」と言う人もいるが、できたもん勝ち!)
引用 Dr.讃岐流 気管挿管トレーニング
背側、頭側、右方向に圧迫だが、甲状軟骨の圧迫だけでも効果が高い。
圧迫した後挿管者の指示に従うのが最も効率が良い。
海外のBURP法の動画
まとめ
引用 Dr.讃岐流 気管挿管トレーニング
私は挿管実習で30症例の気管挿管を実施してきました。
そのほとんど全てでBURP法を実施しました。
(看護師さんや医師にしてもらいました)
と言うのも、
普通に喉頭展開するだけだと口腔内視野が狭かったり、喉頭蓋が邪魔をして声門が見えません。
見えたとしても声門の一部しか見えません。
(俗にいうコーマックグレード2の状態)
ほとんどの症例がそうです。
(麻酔科医の先生が「この人は気管挿管しやすい!」と絞ってくれたにもかかわらずです)
しかし、BRP法を実施すると声門は格段に見やすくなります。
もう視力悪い人が初めてメガネ掛けた時と同じような感動です笑
その時の体験談はコチラ▼
ですから、
気管挿管を救急現場で行うにはBURP法は必須と言えるでしょう。
麻酔科医と違い、救命士は毎日のように気管挿管を実施しません。
そんな救命士がBURP法をやらないで挿管するなんて考えられません。
(「BURP法なんていらん!」って意見もあるかもしれませんが、少なくとも自分はそう思います)
BURP法をやらない挿管を例えるなら・・・
例えるならドラクエで武器装備なしで冒険に出るくらいデメリットがあります。(例えが下手w)
何が言いたいかと言うと、
救命士の気管挿管にとってBURP法は超大切で、それを行う補助者の存在が気管挿管の成功率に大きく関与するってことです。
コツとしては
実施救命士「この位置でバープ維持してて。」
救急隊員「こうですか?」
実施救命士「いや、もうちょい押して。もうちょい右、右。。。それ!そこの位置!」
挿管成功!!!
って感じで補助者と意思疎通して協力すると良いですね。
そのためには共通認識が大事です。
共通認識を養うためにも気管挿管の訓練を頑張りましょう!
成功率は介助者にかかっていると言っても過言ではありません。
BURP法は気管挿管に大事です。
うまく実施するためには普段から介助者との信頼関係を高めるのがコツってお話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
あなたの知識が地域住民の幸せに繋がることを願ってます!
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参考・画像引用書籍
こんにちは、気管挿管認定救命士の空飯(→プロフィール)です。
今回はBURP(バープ)法についての説明です。
概要とやり方、コツ、気管挿管実施者からの意見をお伝えします。