こんにちは、救命士学習塾講師のHARUです。
僕も塾長と同じで救急救命士東京研修所(エルスタ)の卒業生です。
救急救命士の運用が始まってから10年以上のキャリアを持ちます。
今回は”救急救命士の災害時の活動”について語ろうと思います。

今回はそのポイントをお伝えします。
参考にしてみてください!!
・大規模災害時で通信手段が途絶えた場合でも特定行為が実施できます。
・実は大規模災害だけではない。通信手段が途切れることは、山間部、トンネル等の災害もあります。
・災害時に特定行為を実施するにあたり、複数の通信手段を確保しておくことが重要です。
・通信手段が途絶えた中で、特定行為を実施した場合、事後検証を受ける必要性があります。
・確認事項がもう一つ!!実施するにあたっては、所属するメディカルコントロールに確認してください。
・どういった災害の時に、具体的指示がなくても特定行為ができるか知りたい人。
・どういった方法で特定行為を実施したらいいか知りたい人。
・報告書を作成するためにどのような情報を把握しておくべきか知りたい人。

最近大雨での災害や大きい地震が起きるってよく言われているけど、救急活動をしていて病院と連絡が取れなくなったりしないのかな??
救命士の武器である特定行為って医師の指示がいるんだよね??
連絡が取れなくなったりしたら特定行為ができないんじゃないのかなって思って・・・。

過去の災害では、救急隊がもっている携帯電話が電波状況の不通で使えなかったりするケースも発生しているみたいなんだ。
そういうことがあったから、通信手段が途絶えた場合でも実施できるように総務省消防庁から文章が出ているんだ。
下の資料を見てください。
通信事情等の問題から医師の具体的指
示が得られない場合についても、心肺機能停止状態の被災者等に対し、医師の
具体的指示を必要とする救急救命処置を行うことは、刑法(明治 40 年法律第
45 号)第 35 条に規定する正当業務行為として違法性が阻却され得るとの考え
を示す事務連絡が発出されている。



だけど、通信手段が途絶えた状況下で特定行為をするのだったら、さまざまな「決まり」があるんだよね。その「決まり」を把握しておかないと、単純に特定行為を実施しましたってわけにはいかないんだよ!!
この記事は、「救急救命士の災害時の特定行為」について5つにまとめました。
解説していくね!!
大規模災害時で通信手段が途絶えた場合でも特定行為が実施できます。

大規模な災害現場で通信手段が途絶えた場合でも特定行為が実施できます。
なぜならば、通信手段が途絶えているので、医師に指示をもらうことにこだわっていたら、救命できないからです。
こちらは総務省消防庁から出ている文章「大規模災害時等の通信途絶における救急救命処置の実施について」になります。


じゃあ、例えば、大規模災害に緊急消防援助隊で出動し、メディカルコントロールが違うところで活動した場合、特定行為を行うためにはどこに電話して指示をもらったらいいのかな??

自分が所属するメディカルコントロールに指示をもらいます。
その根拠となる文章が下になります。

この文章を説明させもらうと、
①特定行為の指示要請は派遣元のメディカルコントロールから指示をもらうこと。
②活動上のプロトコールは派遣元のメディカルコントロールが定めているものに従うことと。
となっています。
僕が所属しているメディカルコントロールでも、所属するメディカルコントロールに電話をして特定行為の指示をもらうように指示が出ています。
それなので、出動する前や、日ごろから、どこに指示をもらったらいいのか確認しておくべきです。
たとえば、笑い話として、特定行為の指示をもらう側、出す側が無知だったとしたら・・・。
(緊急消防援助隊で出動し、派遣元に特定行為の指示要請をもらおうとした場合)


特定行為の指示要請??
なんで私が受けないといけないの??

ってことにもなりかねません。

確認しておくことに損はありません!!
なお、確認するのは、所属するメディカルコントロールです。
災害時で通信手段が途絶えた場合、指示を得なくても特定行為を実施することが法的には可能となっています。
また、特定行為を行う上で、注意が必要なことは、
①所属するメディカルコントロールから、指示をもらうこと
②所属するメディカルコントロールのプロトコールに沿っておこなうこと
が重要になります。
実は大規模災害だけではない。通信手段が途切れることは、山間部、トンネル等の災害もあります。

山間部の活動やトンネル内の活動で通信手段が途絶えた状態の場合、、特定行為の指示をもらわなくても特定行為をすることができます。
なぜなら、通信手段が途絶えているので、医師に指示をもらうことにこだわっていたら、救命できないからです。


例えば、こんなケースが該当になります。
・・・ここは山奥の集落になります。
そのなかで、救急事案が発生し、救急隊が出動しました。
出動する途中で、無線が途絶え、携帯電話のアンテナを確認すると、圏外の表示があります。
現場到着したら、傷病者はCPA。
すぐにでも特定行為を行いたいところですが・・・。

通信手段がないということは、特定行為ができませんよね(焦)通信状況が回復するところまで移動しましょうか??



この家の電話は借りれるか??



つまり、われわれ救命士の特定行為は「通信手段」が命となります。
仮にその通信手段が途絶えた場合に、 次の行動が起こせるように考えておかないといけません。

総務省消防庁が出している、文章では通信手段が途絶えている場合、特定行為の指示をもらわなくても特定行為を行えることにはなっていますが、確認は重要なことになります。


他の通信手段は次の項目で説明していくつもりなんだ💦

特定行為を行うにあたり、通信手段が途絶えている場合、医師へ指示要請行えません。
その場合、指示がなくても特定行為を行える可能性があります。(ただし、所属するメディカルコントロールに確認する必要性があります)
災害時に特定行為を実施するにあたり、複数の通信手段を確保しておくことが重要です。

災害時で通信手段が途絶えてしまっても、複数の通信手段を確保しておかないといけません。
特定行為の大原則は「医師の指示」が必要だからです。
この資料は先ほどから出している、総務省消防庁の文章「大規模災害時等の通信途絶における救急救命処置の実施について」になります。

つまりは、「通信手段を全て試したけど、途絶えていたので、やむを得ず特定行為を実施しました」という形が重要になってきます。

「他の手段も試してみてください」ってことが重要になるんだね!!

【ストーリー上、停電ということで固定電話は使えませんでしたが(笑)】
つまり、有事の際、固定電話は手段の一つとして考えていてもいいと思います。
その中、通信手段が全てダメで、電波状況がいい場所に行くにしても、時間がかかるといった場合、初めて、指示なしでの特定行為が行えるものだと解釈しています。

そうしないと、災害時に救急活動なんかはできません💦
さすがHARU隊長!!
災害時の現場活動で、通信手段が途絶えた場合、いくつかの通信手段を試してみてください。
試した中でダメだった場合、初めて指示なしで特定行為が行えます。
通信手段が途絶えた中で、特定行為を実施した場合、事後検証を受ける必要性があります。

通信手段が途絶えた中、指示なしで特定行為を行った場合、事後検証を受ける必要性があります。
なぜなら、その行為に正当性があったかどうか検証する必要があるからです。


メディカルコントロールの医師が、事後検証用の書類に目を通し、特定行為をするべき傷病者であったのか。また、その手技や時間経過を検証してくれます。
今回のケースでは、指示なしで特定行為を行うので、その検証が必要となってきます。


上の項でもお伝えした、「通信手段が全てダメで、電波状況がいい場所に行くにしても、時間がかかるといった場合、初めて、指示なしでの特定行為が行えるもの」なので、メディカルコントロールの医師からすれば、「通信手段がだめだった理由を挙げておきなさい」ってことになるんだと思います。
それなので、一番怖いのが、「携帯電話が圏外であったから、指示なしで特定行為を実施しました」ということです。
そうした場合、「他の手段はなかったのか」というところに引っかかってしまうので注意が必要です。
それなので、常に頭に入れておかないといけないことは3つあります。
①通信途絶の状況
②通信手段の確保に関して講じた措置内容
③代替手段がなかったこと及びないと判断した根拠や理由
になります。

通信手段が途絶えてしまい、指示なしで特定行為を行う場合、次の3つの理由が必要です。
①通信途絶の状況
②通信手段の確保に関して講じた措置内容
③代替手段がなかったこと及びないと判断した根拠や理由
確認事項がもう一つ!!実施するにあたっては、所属するメディカルコントロールに確認してください。

指示なしで特定行為を行う場合、事前に所属するメディカルコントロールに確認してください。
なぜならば、所属するメディカルコントロールのプロトコールで救急隊は活動しているからです。

たとえば、いくら国から文章が出たとしても、所属するメディカルコントロールのプロトコールで活動しているからです。
それなので、地域で若干プロトコールが違うと思います。その地域性に合わせてプロトコールが作られているからです。
国から出た文章をそのまま解釈するのではなく、「自分たちのメディカルコントロールではどうなのだろうか」と疑問を持つようにして下さい!!
国から出た文章をそのまま解釈するのではなく、所属するメディカルコントロールのプロトコールで活動をするため、常に確認が必要です。
まとめ
① 大規模災害時で通信手段が途絶えた場合でも特定行為が実施できます。
また、特定行為を行う上で、注意が必要なことは、
⑴所属するメディカルコントロールから、指示をもらうこと
⑵所属するメディカルコントロールのプロトコールに沿っておこなうこと
が重要になります。
② 実は大規模災害だけではない。通信手段が途切れることは、山間部、トンネル等の災害もあります。
特定行為を行うにあたり、通信手段が途絶えている場合、医師へ指示要請行えません。
その場合、指示がなくても特定行為を行える可能性があります。(ただし、所属するメディカルコントロールに確認する必要性があります)
③ 災害時に特定行為を実施するにあたり、複数の通信手段を確保しておくことが重要です。
災害時の現場活動で、通信手段が途絶えた場合、いくつかの通信手段を試してみてください。
試した中でダメだった場合、初めて指示なしで特定行為が行えます。
④ 通信手段が途絶えた中で、特定行為を実施した場合、事後検証を受ける必要性があります。
通信手段が途絶えてしまい、指示なしで特定行為を行う場合、次の3つの理由が必要です。
⑴通信途絶の状況
⑵通信手段の確保に関して講じた措置内容
⑶代替手段がなかったこと及びないと判断した根拠や理由
⑤ 確認事項がもう一つ!!実施するにあたっては、所属するメディカルコントロールに確認してください。
国から出た文章をそのまま解釈するのではなく、所属するメディカルコントロールのプロトコールで活動をするため、常に確認が必要です。

その中で、指示なしでも特定行為ができる場合があるってことを知って、びっくりしちゃったよ!!

確かにそうだよね・・・。ただ、救命しようと思った場合に、指示がないと特定行為ができなかったら、救命できない場合がでてきるよね。
僕は少しでも「命を助けたい」から柔軟な政策をしてくれてほんとに感謝するよ!!
今後発生する、大規模な地震にはきっと有益だろうからね。

でも、救命士が活躍=災害が起こっているってことになるからちょっと複雑だけどね・・・。
でも、HARUみたいな救命士がいるから、安心して暮らせるね!!
いつもありがとうね!!
これからも、大変だけど、がんばってね!!
その時に、通信手段が途絶えていたら、どうでしょうか?
いざ特定行為を実施しようとしたとき実施できないってことが出てくるとおもいます。