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ツルゴールの低下とは?脱水の種類と原因を現役救命士が詳しく説明!

脱水の原因と種類、覚え方

 

救急救命士のテキスト語呂合わせ

こんにちは、空飯です。脱水の種類は3種類です。

  1. 水欠乏性脱水(高張性脱水)
  2. ナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)
  3. 混合性脱水(等張性脱水)

これらの脱水になる原因と特徴を救命士を目指す学生にもわかりやすく説明していきます。

水欠乏性脱水 ナトリウム欠乏性脱水
別名 高張性脱水 低張性脱水
原因 水分摂取不足、発熱、発汗、尿崩症、糖尿病(高血糖性脱水)、浸透圧利尿薬 嘔吐、下痢、大量の発汗などに対して塩分を補給しない、アジソン病、利尿薬過剰
細胞外液量 減少 高度減少
細胞内液量 減少 増加
口渇感 ++
口腔粘膜 乾燥 湿潤
食欲不振、嘔吐
皮膚乾燥
皮膚弾力性の低下 ー(ツルゴール低下なし)
※救命士テキストでは「なし」だが、実際は低下することが多い。

++(著しくツルゴール低下する)(つまんだシワが戻らない)
皮膚温
倦怠感 +++
頭痛、悪心 +++
意識障害 興奮から昏睡へ 傾眠から昏睡へ
痙攣 ++
立ちくらみ(血圧低下) ++
頻脈 ++
乏尿 ++
ゴロ(P233) マラソン校長脱水 丁重な下痢はナトリウム

水欠乏性脱水(高張性脱水)とは

水が多く失われる脱水が水欠乏性脱水(高張性脱水)です。

 

主な原因

  • 不十分な水分の経口摂取
  • 大量の嘔吐
  • 大量の発汗
  • 尿崩症
  • 浸透圧利尿薬投与

 

原因の解説

汗、唾液、胃液のNa+濃度は低いので高張性脱水になりやすい。

Na+が低いということは水分が多く失われやすいということ。

 

水欠乏性脱水(高張性脱水)になる事例

  • 大量の汗をかくマラソン
  • 朝から晩まで大量の嘔吐した例

このような事案は水分を失った高張性脱水を疑いましょう。

 

水欠乏性脱水(高張性脱水)の特徴

  • 血管内容量は保たれるのでショックはなし
  • 口渇++
  • 皮膚乾燥++
  • 乏尿++
  • 細胞内は著しい脱水++
  • 皮膚ツルゴール低下ー
    ※救命士テキストでは「なし」だが、実際は低下することが多い。
    (根拠にあってはコチラ▼)

 

水欠乏性脱水(高張性脱水)を現場で疑うまとめ

救急事例

炎天下でのマラソン中に倒れた。

発汗がなく、現在は皮膚が乾燥してきている。

舌乾燥++

このような場合は水欠乏性脱水(高張性脱水)を疑います。

 

ナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)とは

水に比べNaが多く失われ脱水となるのがナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)です。

 

主な原因

  • 下痢・大量の発汗に対して水分のみを補給した場合
  • 利尿薬
  • アジソン病

 

原因の解説

特に下痢のNa濃度は高いので低張性脱水になりやすい。

Naが高いということはNaが多く失われやすいということ。

 

ナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)になる事例

  • 朝から晩まで下痢をしたが水分だけは取っていた例

このような事案はNaを失った低張性脱水を疑いましょう。

 

ナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)の特徴

  • 血管内容量は著しく減少しショックあり
  • 口渇ー
  • 皮膚乾燥ー(湿潤)
  • 乏尿ー(比較的多尿)
  • 細胞内脱水ー
  • 皮膚ツルゴール低下++(手背・鎖骨下の皮膚をつまむと皮膚のしわが残ったまま)

 

ナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)を現場で疑うまとめ

 

救急事例

食あたりをし、今朝から下痢が止まらない。(入電21時)

食事は取れないので水分だけとっていた。

顔面蒼白、血圧低下、頻脈、皮膚湿潤、循環血液量減少性ショックを疑った。

 

このような場合はナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)を疑います。

空飯
下痢が続くなら水分とともに塩分を摂ろうということですね。

 

混合性脱水(等張性脱水)とは

いずれもが同等に減少した場合を混合性脱水(等張脱水)という。

 

主な原因

脱水の原因となる様々な場合。

高張性、低張性どちらの原因でも起こりうる。

 

原因の解説

水分もNaも同じような割合で失われると起きる。

 

混合性脱水(等張性脱水)の特徴

  • 血管内容量は保たれる。ショックは生じにくい。
  • 口渇+ー(あったりなかったり)
  • 皮膚乾燥+ー(あったりなかったり)
  • 乏尿+ー(あったりなかったり)
  • 細胞内脱水+
  • 皮膚ツルゴール低下あり(手背・鎖骨下の皮膚をつまむと戻りにくい)

 

ゴロ合わせ

高張性脱水と低張性脱水

P233

マラソン校長だっす、なんと丁重な下痢。

解説

マラソン・高張、脱水 ナトリウム、低張、下痢

水分減少性脱水は高張性脱水。マラソンなどの発汗でなることが多い。

ナトリウム欠乏性脱水は低張性脱水。下痢でなることが多い。

 

まとめ

空飯

救急では細胞外液の減少が最大の問題です。

処置として、乳酸リンゲル液の輸液が行われます。

脱水による循環血液量減少性ショックに急速輸液は効果抜群なので是非実施しましょう!

 

【2019.2.20追記】ツルゴール(皮膚弾力性)について

ツルゴール低下の写真画像引用 https://t.co/J4bMvj3ZGA

▲一応確認ですが上の写真は「ツルゴール低下+」

 

▼高張性(水欠乏性脱水)では「ツルゴール低下しない」と救命士テキストでは記載されてます。

ツルゴールの低下

引用 救命士テキスト9版上巻 P233

しかし、実際の臨床(現場)では高張性脱水(水欠乏性脱水)では「ツルゴール低下する」ことが多い

 

ツルゴールのまとめ

低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水)では皮膚ツルゴール低下が著しく、高張性脱水(水欠乏性脱水)では軽い

(しかし、高張性脱水ツルゴール低下出現率は高い)

 

以下根拠を記載します。

 

高張性(水欠乏性脱水)でツルゴール低下する根拠

血小板ちゃん

救命士テキストに「高張性脱水 ツルゴール低下(ー)」って表があるけど実際はツルゴール低下するって本当??

空飯

高張性脱水でもツルゴールは低下します

頻度としても多いです。

これからその根拠を説明しましょう。

 

▼こちらがツルゴールに関連した論文の要約文です。

皮膚ツルゴールに関する、ドリントン博士の思慮深く啓蒙的なディスカッションは、真皮弾性繊維こそが皮膚性状変化の原因であるという説得力ある証拠と考えることができます。

皮膚ツルゴールが、純粋な水(自由水)の喪失よりも、生理食塩水の喪失と相関していることは明らかです。

たとえば、体重70㎏の若年男性が急性下痢などで等張液を3L失うと、皮膚ツルゴールは著明に低下します。

熱中症などで自由水を3L失った意識障害患者では、こうした皮膚ツルゴールの低下は起こりません。

したがって、臨床経験から、栄養状態に問題がない患者では比較的軽度であっても等張液を喪失すると皮膚ツルゴールの低下はわずかであると断言できます。

要約元 https://t.co/75ZtCeJHG8

 

つまり「低張性脱水では皮膚ツルゴール低下が著しく高張性脱水では軽い」ということです。

 

▼実際には高張性脱水でツルゴール低下が確認される資料もあります。

教授のツイートでもあるとおり、高張性脱水の患者でも皮膚ツルゴールの低下が観察されております。

 

つまり「高張性脱水ではツルゴールは低下する

 

高張性脱水(水欠乏性脱水)でツルゴールが出現する頻度は?

結論は多くの高張性脱水でツルゴール低下は出現します

 

根拠はこちら▼

高張性脱水患者150名の皮膚ツルゴールを鎖骨下、胸骨、前腕、大腿の4ヶ所で観察しています。その結果、110名(73.3%)に鎖骨下の皮膚ツルゴール低下を認めました。

要約元 https://t.co/Ipdd4uC3JF

高張性脱水(水欠乏性)患者150人中110人にツルゴール低下を認めてます。

頻度としても多いと言えるでしょう。

 

実際の現場でもツルゴール試験は有効

空飯

私も現場活動をしている際、脱水を疑ったのならツルゴールを確認します。

その傷病者が高張性なのか?

低張性なのか?

これらを現場で判断できません。

しかし、脱水所見(水を飲んでなかった情報・舌乾燥など)があった場合ツルゴール低下が確認されることが多かったです。

ちなみに高齢者では普段から手背のツルゴール低下がみられます。

必要なら鎖骨下でツルゴール試験をしてみましょう。

(鎖骨下も普段からツルゴール低下している人ももちろんいます)

 

いまさらだけどツルゴールとは?

ツルゴール低下の写真

ツルゴール低下とは皮膚弾力性の低下のことを言います。

上の写真のように「手背」や「鎖骨下」の皮膚をつまんでみます。

普通ならすぐに皮膚は戻りますよね?

しかし、脱水などがある人はツルゴールが低下します。

つまり、皮膚のシワが残ったままになります。

これがツルゴール低下といわれる異常事態です。

(ただし高齢者は普段からツルゴール低下している)

 

ツルゴール発生機序仮説

皮膚ツルゴールは真皮にある弾性繊維がゴムひものように伸び縮みすることで生じる。

この弾性繊維は低温になったり水分不足したりすると伸びきったパンツの紐のようになる。

要約 https://t.co/kV7e3F6ii5

 

ツルゴールまとめ

救命士国家試験的には高張性脱水でツルゴール低下はしない

しかし

現場では高張性脱水でもツルゴール低下することが多い

 

脱水の区別関係なく皮膚ツルゴール低下が生じる

というのが結論です。

 

救命士テキストを改正した方がいいと思いました。

 

皮膚ツルゴールに関して@jun0426さんのツイートを参考にさせていただきました。

この場を借りて御礼申し上げます。

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空飯は19歳で消防士になり、26歳でエルスタ東京へ、
そして最年少で救命士となりました。
研修前には救命士国家試験合格レベルで、
最高に充実したエルスタ生活を送りました。

ですが、
最初から勉強ができた方ではありません。
勉強は超苦手で、高校は実業高校なのにテストで赤点とってたくらいです。

お前には才能があったんだろ?とも言われます。

僕はもともと勉強が得意だったわけでもなければ、
暗記が得意だったわけでも、
ましてや仕事ができたわけでもありません。

そんな僕でも自信を得ることができて、
研修所入校前に救命士国家試験合格レベルになりました。
エルスタ生活にもとても良い影響をもたらしました。
結局、勉強方法を『知るかor知らないか』なんですよね。

どんな人でも研修所入校前に国家試験合格レベルになれます。

やり方さえ学んでいけば誰でも自信をもって救命士になれる。
僕、空飯がどのように救命士になったのかを下記の記事では公開してます。

研修所入校前に救命士国家試験合格レベルになった空飯のリアル物語

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4件のコメント

脱水の分野はごちゃごちゃになっていたので大変わかりやすくてありがたいです^_^

ツルゴールの記載について逆に掲載しておりました。
混乱させてしまい申し訳ありません。
記事を訂正させていただきました。
また、ツルゴールについても追記させていただきました。

ご指摘ありがとうございました。
また何かありましたらよろしくお願いします。

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