こんにちは、救命士学習塾塾長の空飯(→プロフィール)です。
死戦期呼吸(しせんきこきゅう)の映像を見てもらい、死戦期呼吸とはどのようなものなのか解説していきます。
突然ですが、死戦期呼吸を見たことがありますか?
「死戦期呼吸は正常の呼吸ではない。ただちにCPRを開始すること」
と救命講習会で学びます。
しかし、見る機会は少ないと思います。
今回は実際の映像をはじめいろいろと参考になる動画を集めたのでご覧ください。
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空飯の救急救命士免許証
ドクターからの推薦の声
海で溺れた人に心肺蘇生を行って助かった実際の映像
出典 https://www.youtube.com/watch?v=88uCTEmuuGI
除細動後の2:30頃の呼吸が死戦期呼吸です。
死戦期呼吸の中でも下顎呼吸と思われます。顎は動いていますが、胸郭がほとんど動いていないことがわかります。
死戦期呼吸とは
心停止が起こった直後には、呼吸に伴う胸や腹の動きが普段どおりでない場合や、しゃくりあげるような途切れ途切れに起きる呼吸がみられることがあります。
この呼吸を「死戦期呼吸」といいます。「死戦期呼吸」は「普段どおりの呼吸」ではありません。
引用:仙台市消防局
死戦期呼吸の種類
下顎呼吸
吸気時に下顎を動かして空気を飲み込むような呼吸で、顎の動きのみであり胸郭はほとんど動かない。
鼻翼呼吸
吸気時に鼻翼が広がり呼気時に鼻翼が縮まる呼吸であり、やはり胸郭がほとんど動かない。
あえぎ呼吸
深い吸息と速い呼息が数回続いた後に無呼吸となる呼吸。
これらを死戦期呼吸といい、現場や救急室ではギャスピングということが多いです。
いろいろな死戦期呼吸の動画
出典 https://www.youtube.com/watch?v=9PDcXMDDKw4
出典 https://www.youtube.com/watch?v=ejXCS144BZk
出典 https://www.youtube.com/watch?v=EdOvv69I7Qo
出典 https://www.youtube.com/watch?v=f5PWKjwWSJs
まとめ
私自身、何回か死戦期呼吸を見たことがありますが「呼吸が戻った!?」と勘違いしそうになります。
一般の人は「口が動いているから呼吸している」と勘違いするのも無理はありません。
自分が実際に見て思った勝手なイメージは「釣り上げ、地面に置いて時間のたった魚」です。
釣ってから、しばらくした魚は瞳孔が開いて、口をゆっくりパクパクさせていますよね?自分はあれと似ていると思いました。
救命講習でも「釣り上げた魚がゆっくりパクパク」するみたいな呼吸と説明させていただいてます。
救命士は意識がない傷病者の呼吸を確認した際、呼気を肌で感じられず胸郭の動きがしっかり確認できないときは迷わず呼吸停止と判断できるようにしましょう。
また、心肺蘇生をしている最中に口が動き出し、飲み込む動作もしてもそれは死戦期呼吸(ギャスピング)である可能性が高いです。注意しましょう!
胸の上がり下がりがなければ心肺蘇生を継続してください。目的のある動作(手で払いのける等)があるまで続けましょう!
死戦期呼吸出現時は心肺蘇生法が必要です。
その際、AEDも必要になります。(なくても胸骨圧迫だけでも行うのが大事です。AEDがあればさらに救命する可能性が高まります。)
まだ施設などに設置できてない方は、ぜひAEDの設置を協力お願いします!
(日本で助けられる命が1つでも増えますように!)
こちらの記事ではAEDの使い方を詳しく説明しておりますので参考にしてください。
AEDについて、よく受ける質問と回答をまとめました。AEDについて疑問のある方はこちらの記事が参考になります。
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死戦期呼吸は数回救急車内で実際に見た経験あり。
そのうちの何回かはVF(心室細動)だったので除細動しました。