こんにちは、空飯です。
どのような症状や状態が内因性ロード&ゴーの適応となるのか、適応になればどのような活動になるのか、なぜ内因性ロード&ゴーというものがあるのか…。
内因性ロード&ゴーについて知りたい人はこちらの記事で納得できることでしょう。
内因性ロード&ゴーを詳しく説明します。
もくじ
PEMECにおける内因性ロード&ゴーになる2パターン
①ABCD評価で異常→必要な処置しても改善しないとき
②初期評価の緊急度分類赤1のとき
意識 GCS3-8 JCS100-300
呼吸 10/分未満または30/分以上
脈拍 120/分以上または50/分未満
血圧 収縮期血圧90mmHg未満または200mmHg以上
SpO2 90%未満
ショック 蒼白・虚脱・冷汗・脈拍触知不能・呼吸困難など
※小児の場合はこの数値とは異なる
内因性ロード&ゴーをしたらどう行動する?
なぜすべての活動を内因性ロード&ゴーにしないのか?
一般の人から見れば「全部の活動を内因性ロード&ゴーにすれば良いんでない?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、救急隊は様々な症状や病態からその人にとって最も最適な処置や搬送先病院を選定しなくてはなりません。
より多くの情報を得るには多少の時間も必要です。
(だからと言ってゆっくり活動しているわけではありません。基本的に急いでいます。)
しかし、その中でもさらに急がなければならない、まさに1分1秒を争う状態を「内因性ロード&ゴー」と位置づけて活動します。
病院側は内因性ロード&ゴーと聞いて「名前は?生年月日は?患者コードは?」などと聞くのはナンセンスです。
救急隊もそのような病院選定をするのではなく、救命センターに運ぶべきです。
内因性ロード&ゴーではとにかく時間との勝負です。
まずは受け入れ可能かどうなのかを知りたがっているのでそこを教えてもらえるとありがたいです。
受け入れ可能かどうなのか教えてもらえるとありがたいです。
(大切なので2度…笑)
内因性ロード&ゴーの判断基準(適応と宣言)
初期評価における内因性ロード&ゴーの判断基準と必要な処置
初期評価での判断(PEMEC・PSLS)
必要な処置を行ってもなおその状況が改善しない場合に、内因性L&Gとなります。
改善した場合は内因性L&Gの適応外となります。
以下、PMEC検討小委員会委員様より
判断基準に1項目でも該当した場合に内因性L&
Gという意味ではなくて、
【必要な処置】を行ってもなおその状況が改善しない場合に、内因性L&Gとなります。 分かりにくい記載ですみません。
このことは、PCEC検討委員会、PMEC検討小委員会で確認済みです。
A 気道閉塞 高度気道狭窄 JCS300舌根沈下気道確保困難
B チェーン・ストークス呼吸、中枢性過換気、クスマウル呼吸、失調性呼吸、ビオー呼吸 呼吸数が10/分未満、または30/分以上(小児を除く)
C 皮膚冷汗、湿潤、頻脈を伴う、または触知しない
D 脳ヘルニア徴候を認める(異常肢位(除脳硬直、除皮質硬直)
JCSⅢ桁、またはⅡ桁で瞳孔異常を伴う)
これらの観察から【必要な処置をしても改善しない場合】内因性ロードアンドゴーの適応となる。
必要な処置
- 気道確保
- 補助換気
- 口腔内異物除去、分泌物吸引
- 酸素投与
- 側臥位または回復体位、セミファーラー位
- 冷却または保温
意識と異常呼吸の参考画像
バイタルサインで判断(PEMEC)
PEMECではこれら赤1のバイタルサインを認めれば内因性ロード&ゴーの適応である。
意識 GCS3-8 JCS100-300
呼吸 10/分未満または30/分以上
脈拍 120/分以上または50/分未満
血圧 収縮期血圧90mmHg未満または200mmHg以上
SpO2 90%未満
ショック 蒼白・虚脱・冷汗・脈拍触知不能・呼吸困難など
※小児の場合はこの数値とは異なる
脳ヘルニア徴候は内因性ロード&ゴーの適応(PEMEC・PSLS)
異常肢位(除脳硬直、除皮質硬直)
JCSⅢ桁、またはⅡ桁で瞳孔異常を伴う
異常肢位参考画像
まとめ
内因性ロード&ゴーを宣言した場合は、必要な処置を行い他の観察等を中断して医療機関へ搬送開始します。
自分たちができるうる最大の速さで搬送するためです。
ロード&ゴーという言葉はとても便利で、この言葉を耳にしたら救命士のみならず医療関係者、救急隊員などすべての関係者に「あ、状態悪くて緊急に搬送しなければいけない傷病者なんだな。」と伝わります。
これはすごいことで、病院側でも真剣に向き合ってくれますし、隊員も最速の活動を心掛けてくれます。
こういった共通言語はとても素晴らしいのでどんどん広まっていってほしいものです。
現場経験の少なさは【PEMEC】でイメージトレーニングしましょう!
空飯も愛用してます!