こんにちは、救命士学習塾講師のHARUです。
僕も塾長と同じで救急救命士東京研修所(エルスタ)の卒業生です。
救急救命士の運用が始まってから10年以上のキャリアを持ちます。
救命士の訓練は、3種類の考え方から構成されています。
・救命士の訓練のポイントがはっきり分かります。
・救命士の訓練のポイントを知ることで、事前学習に役立ちます。
救命士の訓練ってどんなことをしているの?
血小板ちゃん、質問ありがとう。
救命士の訓練は主に3種類あるんだ。
それは、病態を判断する判断訓練、手技訓練、病態の判断と手技を合わせた総合訓練に分けられるんだ。
それぞれの訓練には重要なポイントがあって、とても重要なことになるんだよ。
それぞれ訓練を詳しく解説していくね!
救命士の訓練を教えてもらえるんだー!!
救命士の日々の努力を見ることができるから、とても勉強になりそう!!
もくじ
【救命士の訓練①】病態の判断訓練
・低血糖、
・ショック
・循環器疾患
・中毒
・脳卒中
・重症外傷 等々
適切な病院に搬送するための訓練
この訓練で、重要なことは、病態を見抜くことになります。
救急活動の中では、通報内容、状況評価、初期評価、全身観察から傷病者を評価します。
その評価ごとに病態が隠されています。
それだったら、救命士のテキストに書いていることだけ覚えておけばいいんじゃないのかな?
確かに、それでも通用する訓練もあります。
ただし、対人になると、「教科書どおり」とはいきません。
この病態の判断訓練のメリットは
・傷病者の状況、病態、症状からの病態を見抜く判断力がつく。
・活動しながらの判断力がつく。
・教科書以外の知識や判断力がつく。
ということになります。
実際、心筋梗塞と聞いて、教科書的には
・胸部絞扼感であったり、
・20分以上の胸部痛、
・ショック、
・失神
というものがありますが、歯痛というものがあります。
これは、実際先輩救命士から聞いた話ですが、
歯が痛いため、高齢男性が歯医者に行って診察していたところ、CPAに至ったというもの。
というものでした。
救命士テキストの急性心筋梗塞の症状で歯痛があると把握しているだけでは決して、急性心筋梗塞の判断に至る人は少ないと思います。
つまりは、傷病者を取り巻く状況の中で病態判断を行っていく訓練が重要ということになります。
もちろんその後、消防法に定められているとおり、適切な病院に搬送することが、最重要になるわけです。
【救命士の訓練②】手技訓練
・特定行為、
・JPTEC
・12誘導心電図 等々
適切に早く手技をおこなうための訓練
この訓練で、重要なことは、手技を行う場所を判断すること、手技の早さになります。
この訓練で得られるメリットは、
・手技を行う場所の適切な判断。(傷病者の家の中、救急車内の中、道路上等、広い場所、狭い場所、揺れる場所)
・素早く手技をおこない、現場滞在時間を短縮すること。(病院搬送時間の短縮のため)
なるほどね!!手技をする場所が狭かったら、処置がしにくそうだね。
実際、救急車内に収容してからの手技は狭い場所に該当します。
例えば、CPA対応で、車内収容後、特定行為を実施することは、資器材のレイアウト(資器材の置く場所を隊で事前に決めておくこと)が重要になってきます。
資器材の置く場所を決めておかないと、使おうと思ったときに資器材が出てこないよね。そうなってくると、手技を行う場所の判断ってすごく大切だね。
手技の早さのポイントはあるのかな?
手技の早さをですが、重要なことが3点あります。
①反復して、考えなくても手が動くようにしておくこと。
②他人の手技を見て、いいものは盗み、常にブラッシュアップすること。
③緊張感の中、普段どおりの手技ができること。
ということになります。
特に、③は、救急搬送時には同乗者がいると思います。その同乗者が見ている緊張中でも手技を行わなといけないので、十分な訓練が必要です。
追伸
処置の確認は病院到着前に必ず行うようにしましょう。
特にバックボードのベルト固定は、不確実だった場合、病院でかなり怒られます(汗)
外傷の先生は特に熱い先生が大勢いらっしゃるので(汗)
【救命士の訓練③】病態の判断訓練と手技訓練を合わせた総合訓練
・傷病者の様態変化に伴うCPA対応訓練(特定行為)
・傷病者の病態を判断した後からの特定行為(ショック輸液、ブドウ糖溶液投与、エピペン)
・各隊合同の多数傷病者対応訓練 等々
判断と手技を合わせた総合力をつけるための訓練
この訓練で、重要なことは、病態を判断し、手技(例えば特定行為など)をおこなうことです。
この訓練で得られるメリットは、
・病態の判断が根拠となり、手技(特定行為)がおこなえることです。
この訓練の特徴は、通報内容、状況評価、初期評価、全身観察から傷病者を評価し、それを基にして手技(特定行為)を行っていきます。
そこには、適切な判断力と的確な手技が必要となってきます。
なぜならば、適切な判断力は、知識や教養が必要となってきます。
また、その判断のもと、的確な手技(特定行為)をおこなうためには高い技術が必要だからです。
たとえば、実際にショック輸液を行おうと思った場合、ショックのカテゴリーを判断し、適合すれば、実施ということになります。
もちろん実施不可のショックのカテゴリーもあります。
また、ショックを呈している傷病者は、末梢の血管が締まっているため、留置針を刺すことが困難となり、度胸、技術が必要となります。
こういったことが、現場でも想定されて、訓練に落とし込むことで、判断力、手技力の向上が見込めます。
つまりは、この総合訓練に臨もうと思えば、まず、判断訓練、手技訓練から知識、技術を磨く必要があります。
まとめ
・【救命士の訓練①】病態の判断訓練
低血糖、ショック、循環器疾患、中毒、脳卒中、重症外傷 等々
・【救命士の訓練②】手技訓練
特定行為、JPTEC、12誘導心電図 等々
・【救命士の訓練③】病態の判断訓練と手技訓練を合わせた総合訓練
傷病者の様態変化に伴うCPA対応訓練(特定行為)
病者の病態を判断した後からの特定行為(ショック輸液、ブドウ糖溶液投与、エピペン)
各隊合同の多数傷病者対応訓練 等々
なるほどね!!
単に訓練を実施しているのではなくて、目的に沿って訓練は構成されているんだね。
つまりは、その訓練を受けたら、必ず得られるものがあるようになってるんだね!!
そうなんだよね。
訓練を実際に作る際には、訓練の目的をはっきりと伝えているんだ。
例えば、「今日の訓練は、判断訓練になり、ポイントは心筋梗塞の症状になります。
では、どのように、問診したら心筋梗塞と判断できるでしょうか。」というように、分かりやすいようにしているんだよね。
そうすることによって、訓練で得られるものも大きいね。
病態が分からなかった場合でも、分からなかったことが分かった訳だから、再度学習するポイントもはっきりするね!!
これからも、大変だけど、訓練がんばってね!!
・【救命士の訓練①】病態の判断訓練
低血糖、ショック、循環器疾患、中毒、脳卒中、重症外傷 等々
・【救命士の訓練②】手技訓練
特定行為、JPTEC、12誘導心電図 等々
・【救命士の訓練③】病態の判断訓練と手技訓練を合わせた総合訓練
傷病者の様態変化に伴うCPA対応訓練(特定行為)
傷病者の病態を判断した後からの特定行為(ショック輸液、ブドウ糖溶液投与、エピペン)
各隊合同の多数傷病者対応訓練 等々