こんにちは、空飯です。
脳の膜って何種類あるか覚えてますか?
そうですね、3種類でしたね。
硬膜、クモ膜、軟膜という3つの膜に脳は守られています。
これらを総称して髄膜と言います。
どの位置にどの膜があるのか、わかりやすく説明していきます。
髄膜の位置と構成
引用 https://medicalnote.jp/contents/171127-001-XS
脳の膜を外側から硬膜、クモ膜、軟膜といいます。
これらを総称して髄膜と呼びます。
役割としては脳と脊髄の保護です。
つまり、新品パッケージのフィルム
みたいな役割を果たしているわけです。
- 硬膜 膠原線維でできた強靭で厚い膜
- クモ膜 オブラート様の薄い膜
- 軟膜 脳表面に密着した薄い膜
位置関係が分かりずらいので
こちら拡大図。
引用http://www.kobayashi-noushinkeigeka.com/sinryo04.php
さらに拡大していろいろと。
引用https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2156
引用 病気が見える7 脳・神経
引用http://遠隔画像診断.jp/archives/6466
解剖図を見てわかるとおり、
髄膜の位置は外から順に
硬膜→クモ膜→軟膜
となっています。
くも膜と軟膜の間にある空間はクモ膜下腔。
クモ膜下腔は脳脊髄液(髄液)で満たされています。
脳・脊髄はこの髄液のプールに
浮かんだ状態で存在しています。
髄液は、外部環境の変化や衝撃などから
脳・脊髄を保護する役割を持っています。
脳の組織はとても柔らかいためにそのままでは脳自体の重みでつぶれてしまします。
しかし、髄液の中では浮力が働いて約50g程に。
だから、つぶれずに形を保ってられているのです。
まるで豆腐ですね。
そのとおり!まさに、豆腐です。
わかりやすく例えると…
豆腐の水の濁り→髄膜炎
豆腐の中に膿の塊→脳腫瘍
交通事故で豆腐が損壊→脳挫傷
このように例えるとわかりやすいですね。
髄膜に栄養する役割を持った血管
頭蓋骨と硬膜を栄養するのは
外頚動脈の分枝
クモ膜、軟膜、脳実質を栄養するのは
内頚動脈とその分枝・椎骨脳底動脈
髄膜に関する外傷
たとえば、急性喉頭蓋内血腫は出血により頭蓋内圧が上昇し
脳が圧迫され、脳ヘルニアをきたして死に至ることがあります。
ここでは、硬膜外血腫と硬膜下血腫
それと、慢性硬膜下血腫を紹介します。
ここでは紹介しませんが急性喉頭蓋内血腫は
他に脳内血腫があります。
急性硬膜外血腫
引用 救命士テキスト
頭蓋骨骨折などにより頭蓋骨と硬膜の間に
出血が生じる硬膜外血腫
出血源は中硬膜動脈が多いために
側頭部に最も多い。
硬膜と頭蓋骨は比較的密に接している。
このため血腫は広がりにくい。
- 頭部外傷後、数分から数時間の意識清明期(受傷直後は意識障害がない、あるいは受傷後一過性の意識障害があってもまもなく回復している)がある
- その後、急激な意識レベルの低下が起こる(15~60%)
- 頭蓋骨折を認める
- CTで凸レンズ型血腫
- 出血源は硬膜の動静脈、静脈洞、あるいは骨折した頭蓋骨自体
- 一般に脳挫傷を伴うことが少ない
- 血腫の位置は受傷側に多い。
- 早期手術の適応
- 適切な治療(手術を含む)で良好な予後が期待される。
急性硬膜下血腫
引用 救命士テキスト
硬膜とくも膜の間に生じる硬膜下血腫
血腫の出血源は脳表と静脈洞
を連絡する架橋静脈や脳表面の動静脈である
脳挫傷を伴うことが多く
予後は急性硬膜外血腫と比較すると不良である。
- 頭部外傷直後から意識障害(50~60%)
- その後、急激な意識レベルの低下が起こる(15~60%)
- 受傷部位と反対側に血腫出現
- CTで三日月型血腫
- 血腫の出血源は脳表と静脈洞を連絡する架橋静脈や脳表面の動静脈
脳挫傷を伴うことが多い - 血腫の位置は反対側に多い
- 早期手術の適応
- 死亡率が40~60%と高率で予後不良
慢性硬膜下血腫
イメージ的にはじわじわ出血して後から気が付く外傷。
- 軽微な頭部外傷で3~4週間以上経ってから
- 頭痛、頭蓋内圧先進症状、片麻痺、認知機能の低下の出現
- CTで三日月形の低~高吸収域
- 軽度の外傷後、3週間以降に発症(多くは2、3カ月後)
- アルコール多飲者、高齢者に好発する。若年者でもまれに生じる。
- 外傷の既往がはっきりしない場合もある。
- 手術により容易に軽快することが多い。
まとめ
脳の膜のことを髄膜と言います。
髄膜は硬膜、クモ膜、軟膜から構成されます。
脳を守ることが髄膜の役割です。
今回は3種類の髄膜関係の傷病名を紹介しました。
他にもクモ膜下出血や髄膜炎等が救急的に大切になってきますね!
クモ膜下出血や髄膜炎の記事も見たいという方はコメントいただければ作りたいと思います。