こんにちは!!救命士学習塾講師のHARUです。
僕も塾長と同じで救急救命士東京研修所(エルスタ)の卒業生です。
救急救命士の運用が始まってから10年以上のキャリアを持ちます。
いきなりですが、アレルギー症状と聞いてどんなことが思い浮かびますか??
僕も救急救命士になりたてのときは、アレルギーの知識といえば、上記ぐらいでした。
しかし、アレルギーの知識を覆す最近注目されている病態があります。
それは、コー二ス症候群といいます。
↓は厚生労働省がら出ている文章になります。
例えば、アレルギーでショックになった時にコーニス症候群を理解していないと次の2点の遅れが考えられます。
①処置の遅れ(血液分布異常性ショックか心原性ショックなのか)
②搬送先病院の選定の誤り
※アレルギー症状であれば、アドレナリン投与できる病院への搬送になる。
急性冠症候群を伴うのであれば、循環器も見れる病院を選定する。
なぜなら、まさか急性冠症候群を発症し心原性ショックを起こしているとは思いもよらないからです。

こんな悩みを解決します。
この記事ではアレルギーに伴う狭心症の要点を4点で解説します。
・アレルギー症状で急性冠症候群を発症する可能性があります
・急性冠症候群が発症する2つのバターン
・発症の具体例
・対応策として、心電図、AEDパットを準備しておく
・心電図でST変化が見られたら病院選定は循環器対応の病院を
・新しい知識で救急隊の責務を全うしよう

あのね、あのね!!アレルギー症状ってよく「アナフィラキシー」って言われているよね??
てっきり症状的には「声が枯れたり、肌が真っ赤になったり、ブツブツが出たり」って思いこんでたけど、一概にそんなことはないんだね・・・。
心臓にも病態が出てきたら、どんなことが困るのかな??

処置と搬送先に困るんだ。
アナフィラキシーって思っていたら、全く違う対応をしないとだから、対応策を考えておかないといけません。


僕は救命士になった時には、恥ずかしながら傷病者の症状から病院選定をよく行っていました。
しかし、この記事を見ている「救命士」の卵の「あなた」は、病態を疑うってことを学んでほしいんだ!!
そうすれば、病態の考え方が深まり、処置、病院選定が迷うことなく行えます。
救急隊員のときから病態の考え方ができたら、救命士になった時にこれほど役に立つことはありません!!
この記事の内容を理解すると、アレルギーに伴う急性冠症候群の処置や判断が分かります。救急救命士になった時に必要な考え方を身につけたい人は是非参考にしてみてください。
それでは、解説していきます。
目次
アレルギー症状で急性冠症候群を発症する可能性があります。

アレルギー症状に急性冠症候群を伴う可能性があります。
理由は一つで、アレルギー症状に肥満細胞の増加があるからです。


血液が来なくなると、心筋が虚血状態になり、狭心症や心筋梗塞を発症します。
※ただし、2022年3月現在でアレルギー症状からの急性冠症候群は直接証明されていません。可能性があるということに留めていてください。
じゃあ、どれくらい年間発症しているのって思いますよね??

しかし、実際この数字よりはるかに多いと思います。
なぜなら、アレルギーで急性冠症候群を伴うなんて知識がなかったら考えもつきません。アレルギーでショックを呈していた傷病者がいたとしたら、間違いなく、血液分布異常性ショックと結びつけるだろうからね。

じゃあ、何が原因で急性冠症候群になるの??
気になりますよね・・・。それは次の章で解説します。
アレルギー症状に急性冠症候群を伴う可能性があります。
理由は一つで、アレルギー症状に肥満細胞の増加があるからです。
急性冠症候群が発症する2つのパターン

アレルギー症状が原因で急性冠症候群が発症するパターンは2つあります。
冠攣縮と、プラーク破裂に伴う血栓形成です。
ではそれぞれ解説します。
冠攣縮
冠攣縮は「心臓の栄養血管である冠動脈が異常収縮すること」をいいます。

すると、血液の量が少なくなるわけですから、心筋に酸素が行かなくなります。
心筋が虚血状態となって、絞扼感や痛みが起こるわけですね。
プラーク破裂に伴う血栓形成
冠動脈内のプラークとは血管内の「しこり」みたいなもので、プラークがあると冠動脈内の内径を小さくしています。
そのプラークが何らかの原因で破裂して、出血します。止血のため血栓が形成されて、更に内径が小さくなります。

最悪の場合、血栓が形成で冠動脈が閉塞されて、急性心筋梗塞になります。
今この2つのパターンの急性冠症候群が確認されています。
アレルギー症状が原因で急性冠症候群が発症するパターンは2つあります。
冠攣縮と、プラーク破裂に伴う血栓形成です。
発症の具体例

症例の具体例は↓のようになります。
※要約すると、起床時からアナフィラキシー症状が出ており救急搬送途上でCPA。
院内でエピネフリン(アドレナリン)を投与したところ、心室細動を認めたものということです。

つまり、アナフィラキシー症状後に循環器症状が出てくることが分かります。


まだ明確にはなっていないけど、肥満細胞が増幅することで、急性冠症候群を引き起こしているみたいなんだ。
つまり、アナフィラキシー → 肥満細胞増幅 → 急性冠症候群発症というロジックは頭に入れておけば慌てずに対応できます。
なぜなら、アナフィラキシーでも急性冠症候群の対応をするからです。
症例の具体例は、アナフィラキシー症状から心室細動を認めたものです。
アナフィラキシー → 肥満細胞増幅 → 急性冠症候群発症というロジックを頭に入れておけば慌てずに対応できます。
対応策として、心電図、AEDパットを準備しておく

アナフィラキシーから急性冠症候群の対応策は、心電図、AEDパットを準備しておくことです。
理由は一つで、循環器症状に対応するためです。

では、心電図、AEDパットをそれぞれ解説していきます。
心電図
アナフィラキシー症状では、その後の急性冠症候群に対応するため心電図を貼ることは必須です。
なぜなら、心臓の虚血状態の変化であるST変化を見逃さないためです。
もし、ST変化や心原性ショックをが認められたら、AEDパットの準備が必要です。
AEDパッド
上の症例でもあったように、急性冠症候群を発症した場合、心筋が虚血状態になります。すると、心室細動を発症するため、AEDパットの準備が必須になります。

それなので、徴候を見逃さないように処置を行なわなければいけません。
アナフィラキシーから急性冠症候群の対応策は、心電図、AEDパットを準備しておくことが重要になります。
理由は一つで、循環器症状に対応するためです。
心電図でST変化が見られたら病院選定は循環器対応の病院を

アナフィラキシー症状でST変化が見られたら循環器対応の病院選定が必須になります。
理由は一つで、急性冠症候群が対応できる病院は限られているからです。
実際、心電図を貼っておかないと、循環器病院の選定の判断がつきません。

つまり、循環器病院の選定を判断するためにも、心電図は必須です。
これで、ST変化を見抜くことができます。
そして見抜いたなら、循環器対応の病院への搬送です。

アナフィラキシー症状でST変化が見られたら循環器対応の病院選定が必須になります。
理由は一つで、急性冠症候群が対応できる病院は限られているからです。
新しい知識で救急隊の責務を全うしよう

消防の責務は「災害等による傷病者の搬送を適切に行うこと」です。
理由は一つで消防法に明記されているからです。
実際、消防法の第1条に記載されている条文は↓のようになります。
第一条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。

この、アレルギー症状に伴う急性冠症候群のように病態を誤れば、傷病者のその後の人生が大きく変わります。そう思うと、我々救急隊が傷病者の人生を担っています。
それなので、我々が判断を誤るわけにはいきません、判断力を日々研磨して最新の知識で傷病者に対応したいと思います。
消防の責務は「災害等による傷病者の搬送を適切に行うこと」です。
理由は一つで消防法に明記されているからです。
まとめ
アレルギー症状で急性冠症候群を発症する可能性があります。
アレルギー症状に急性冠症候群を伴う可能性があります。
理由は一つで、アレルギー症状に肥満細胞の増加があるからです。
急性冠症候群が発症する2つのバターン
アレルギー症状が原因で急性冠症候群が発症するパターンは2つあります。
冠攣縮と、プラーク破裂に伴う血栓形成です。
発症の具体例
症例の具体例は、アナフィラキシー症状から心室細動を認めたものです。
アナフィラキシー → 肥満細胞増幅 → 急性冠症候群発症というロジックを頭に入れておけば慌てずに対応できます。
対応策として、心電図、AEDパットを準備しておく
アナフィラキシーから急性冠症候群の対応策は、心電図、AEDパットを準備しておくことが重要になります。
理由は一つで、循環器症状に対応するためです。
心電図でST変化が見られたら病院選定は循環器対応の病院を
アナフィラキシー症状でST変化が見られたら循環器対応の病院選定が必須になります。
理由は一つで、急性冠症候群が対応できる病院は限られているからです。
新しい知識で救急隊の責務を全うしよう
消防の責務は「災害等による傷病者の搬送を適切に行うこと」です。
理由は一つで消防法に明記されているからです。
以上となります。
今回のケースは「アレルギーに伴う急性冠症候群」ことをテーマに解説しました。

なぜなら、アレルギーって聞いただけで、アナフィラキシーに結び付くからです。
まさか、急性冠症候群を発症しているとは「夢」にも思いません・・・。


ただ、僕はもっと、救急救命士になりたい救急隊員の目に止まって欲しいと思うんだ!!
救命士っていろいろ勉強会や症例に触れることが多いから、きっとどこかで情報を得ることができると思うんだよね。
だけど、救急隊員って「学びたいけど情報が制約」されている感覚があって、どこから情報を得たらいいのかよくわからないと思うんだ。
実際、僕もそうだったし・・・。
だから、このブログを通じて、いろんな情報を発信できたら、きっと喜んでもらえると思うんだよね!!

このブログはそんな「あなた」のお役に立てる情報がいっぱいです。
このブログでどんどん知識をたくわえていってほしいです。
いつもありがとう!!
今回の記事も「あなた」にとって有益なものになったのでしょうか??
今後もどんどん、「あなたのお役に立てる記事」を発信していきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。
血管が広がる。
気道が狭窄する。
発疹が出る。