こんにちは!!救命士学習塾講師のHARUです。
僕も塾長と同じで救急救命士東京研修所(エルスタ)の卒業生です。
救急救命士の運用が始まってから10年以上のキャリアを持ちます。
今回は「看護師の特定行為について」お伝えしていきたいと思います。

消防には救急救命士がたくさん在籍していて、救急救命士も「特定行為」を扱います。
つまり、看護師と救急救命士は「特定行為」が比較されやすいです。
それなので、「救命士を目指しているあなたに必要な知識」です。
「知識を売りにするあなた」にこの記事はおススメです。
・看護師の特定行為の種類について知りたい人。
・どういった条件下で、特定行為ができるのか知りたい人
・特定行為ができる場所について知りたい人。
このことを具体的にお伝えします。
・看護師の特定行為は診療の補助として医師の処置代行を行っています。
・看護師の特定行為は38行為あります。
・看護師が特定行為を行うためには手順書が必要です。
・看護師の特定行為ができる場所は部署によって異なります。
・特定行為の認定は、指定された研修機関で受講して得られます。
・【番外編】気管挿管もおこなうことができます。


実は、看護師の特定行為制度は平成27年から始まっているんだ。背景をカンタンにお伝えすると、高齢化社会になって、病院を利用する人口がとんどん増えてくるんだよね。
そこで、医師だけが医療行為を行っていたのではとても間に合わなくなるんだ。だから、一定の医療行為を看護師の特定行為として認めている制度なんだよね!!
ちなみに、今までの制度の「診療の補助」って、実ははっきりしていないんだ。
※いくら「ググっても」具体的な診療の補助が出てきません💦
それなので、病院によって解釈が異なっているんだよね💦
たとえば、A病院なら診療の補助にあたる。
B病院は診療の補助にあたらない。(つまり看護師が処置できない)
そこで、特定行為で診療の補助をはっきりさせたってことなんだよね!!
理由としては、上でお伝えしたとおり、高齢化社会を迎えるからです!!
下の表は、診療の補助について法律で書かれているところになります。

じゃあ、今度は、救急救命士との特定行為の比べさせてね!!
救急救命士の特定行為は5個だけど、看護師は何個あるの??


知らない世界を知るってオモシロいね!!

「看護師の特定行為について5つのポイント」解説していきます。
目次
看護師の特定行為は診療の補助として医師の処置代行を行っています。

看護師の特定行為は医師が行う処置の代行を行っています。
なぜなら、高齢者が増えて入院患者、在宅医療患者が増えて、医師の数が足らないからです。
↓の図は特定行為の目的の比較になります。
特定行為の目的 | |
救急救命士 | 救命のため(診療の補助) |
看護師 | 処置の代行(診療の補助) |
※救急救命士の特定行為も診療の補助ですが、主たる目的は救命のためにおこなわれています。
また、看護師も同様に診療の補助ですが、医師数が患者数に対して足らないため、処置を代行しているといった解釈でここでは使用しています。
たとえば、時代背景から、高齢者率がどんどん上がってきています。そこへ医師が全ての患者に対して処置を行なっていたら、対応しきれなくなります。

ってことで、より医師の過労が進んでしまいます。
そこで、医師の処置の代行として看護師に特定行為として処置を行うことになりました。


医師がする処置を代行しているね。

特定行為といえば、イメージとして救命のためにおこなうものって定着しています。しかし、看護師の場合、処置の代行って意味合いになります。全く性格が異なるものになります
いままでは医師が診察して、その指示のもと看護師が「診療の補助として処置」を行なっていましたが、看護師が患者の状態を把握していて、特定行為(処置)をおこないます。
つまり、医師の診察と指示が不要になったということになります。
いままでは医師が診察して指示があり、診療の補助として看護師が処置をしていました。
看護師の特定行為は患者の状態が変わらないのであれば、処置ができるようになりました。
看護師の特定行為は38行為あります。

看護師の特定行為は38行為あります。
なぜなら、この特定行為は看護師一人がすべて行うのではなく、配置された部署で行わわるからです。
↓の図は特定行為数の比較になります。
特定行為数 | |
救急救命士 | 5行為 |
看護師 | 38行為 |
下の図は、看護師の特定行為になります。
特定行為の行為数って少ないイメージがありますよね??

それは救急救命士が行う特定行為が定着しすぎていて「特定行為の数は少ないもの」っていう潜在的なイメージがあるからです。
それが、「38行為もあるんだ」って思いますよね。


では看護師の特定行為を深堀します。
特定行為って緊急処置っていうイメージが強いと思います!!だから「救急の部署でおこなう」っていうイメージが強いと思うんだ。
実はそうじゃないです!!
たとえば、病院に勤務している看護師を想像してみて!!いろんな部署に看護師が勤務しているでしょ??その部署に合った特定行為があるってイメージかな。
救急、病棟、訪問看護・・・といったようにそれぞれの部署で処置が異なるわけだからね。
ちょっと上の表(看護師の特定行為)に目をやってみてくれるかな??
創傷管理関連の項目で褥瘡の壊疽組織の除去があると思います。この処置は病棟であったり、訪問看護の処置だったりします。
まさに、部署によって特定行為が分かれているってことが読み取れると思います。

特定行為の数が多い分、看護師一人が行うというイメージより、それぞれの部署で特定行為が振り分けられているっていうイメージなのね!!
救急救命士の特定行為が定着しすぎている分、理解が難しいね💦
看護師の特定行為は38行為あります。
看護師一人が行うというイメージより、救急、病棟、訪問看護・・・といったように、それぞれの部署で特定行為が振り分けられているっていうイメージです。
看護師が特定行為を行うためには手順書が必要です。

看護師が特定行為を行うためにはあらかじめ手順書が必要です。
なぜなら、医師不在の中で行われるからです。

※これを手順書と言います。
たとえば、患者の状態を把握して変化がないのであれば、その手順書のとおり特定行為を行うといったものです。
※救急救命士のプロトコールだと思ってください。
↓の図は、特定行為をするまでの指示の有無の比較になります。
特定行為の指示 | |
救急救命士 | 特定行為を実施する前にオンラインで指示を得る |
看護師 | 手順書であらかじめ指示を得ている |
こちらは、手順書の抜粋になります。



いつも通りじゃなかったら、医師に連絡をして指示をもらいます。
そういった、イレギュラーもあるだろうから、対応できるようにマニュアル化されています。

確かにイレギュラーなことが起こることほど怖いことはないからね💦
看護師の特定行為は、患者の状態がいつもどおりであれば、手配書(救急救命士で言うとことのプロトコール)どおり行われます。
※状態変化がある場合は、医師の指示をもらいます。
看護師の特定行為ができる場所は部署によって異なります。

看護師の特定行為ができる場所は限定されていません。
なぜなら、所属している場所によって実施できる場所が違うからです。
↓の図は、特定行為ができる場所の比較になります。
特定行為できる場所 | |
救急救命士(病院) | 救急外来 |
看護師 | 所属している部署によって異なる。 |
↓の表は所属別の特定行為の研修表になります。

実は、看護師の特定行為の行える場所について書いているのもはありませんでした💦
しかし上の表から読み取れることがあります。それは、一番右の上から3番目に「在宅、外科術後、麻酔、救急・・・」と書いてあるものがあります。
これが所属別に書いてある必要な特定行為です。
つまり、ここに書いてある場所で特定行為が行われます。
看護師の特定行為は所属している場所で異なります。
看護師の特定行為できる場所は、限定されておらず、所属している場所によっても異なります。
特定行為の認定は、指定された研修機関を受講して得られます。

特定行為の認定は資格ものではありません。
なぜなら、研修を受けてその結果、修了証のみの交付となるからです。
↓の図は、特定行為の資格の比較になります。
特定行為 | |
救急救命士 | 資格もの |
看護師 | 研修修了書のみ |



しかも、研修は仕事しながら研修を受けることになるみたいだから、1~2年くらいかけて受けるんだよね💦

でも、自分のキャリアのため、患者のため看護師もすばらしい職業だね!!
補足ですが、「研修機関は大学病院等の研修を受け入れている病院がおおく、全国289病院(令和3年11月現在)あります。
看護師の特定行為は研修を得て、修了書をもらうことでできるようになります。
※ただし、看護師の特定行為は資格ものではありません。
【番外編】看護師も気管挿管もおこなうことができます。

看護師は救急救命士と同じで、気管挿管を行うことができます。
なぜなら、診療の補助として行うからです。
したの資料は「看護師等の行う診療の補助行為及びその研修の推進について」というものの一部抜粋です。

それなので、実は、看護師も気管挿管を行うことができるのです。
ただし、いろいろな事情があって、看護師が実施している姿を見たことはありませんが、法的にクリアしています。
医療従事者の救急救命士になろうとしている「あなた」は絶対に知っておくべき情報だと思いますのでお伝えします。
看護師も気管挿管を行うことができます。
まとめ
・看護師の特定行為は診療の補助として医師の処置代行を行っています。
いままでは医師が診察して指示があり、診療の補助として看護師が処置をしていました。
看護師の特定行為は患者の状態が変わらないのであれば、処置ができるようになりました。
・看護師の特定行為は38行為あります。
看護師の特定行為は38行為あります。
看護師一人が行うというイメージより、救急、病棟、訪問看護・・・といったように、それぞれの部署で特定行為が振り分けられているっていうイメージです。
・看護師が特定行為を行うためには手順書を基に医師の指示が必要です。
看護師の特定行為は、患者の状態がいいつもどおりであれば、手配書(救急救命士で言うとことのプロトコール)どおり行われます。
※状態変化がある場合は、医師の指示をもらいます。
・看護師の特定行為ができる場所は部署によって異なります。
看護師の特定行為できる場所は、限定されておらず、所属している場所によっても異なります。
・特定行為の認定は、指定された研修機関を受講して得られます
看護師の特定行為は研修を得て、修了書をもらうことでできるようになります。
※ただし、看護師の特定行為は資格ものではありません。
・【番外編】気管挿管もおこなうことができます。


ホントにそうだね💦2つの医療従事者(看護師、救急救命士)が同じ場所ではたらくわけだから、特定行為っていう名称がかぶってしまうとやりにくいよネ💦
看護師の特定行為が決まったときには、まさか救急救命士が病院で特定行為ができるようになるって誰も思わなかったからね。
救急救命士が病院で特定行為ができるようになったことで「あ、かぶっちゃった💦」って思う人がタクサンいただろうね(笑)
だから、病院によって異なるかもだけど、救急救命士の「特定行為」っていう呼び方がわわるんじゃないかなーって思います。(あくまで僕の見解です)
なぜ、救急救命士の「特定行為」の呼び方が変わるのかというと、
①病院での「特定行為」っていう名称が看護師が先に使っていたこと。
②なりより紛らわしいこと。
があります。
病院に搬送する我々救急隊も、病院で呼ばれている「特定行為」についての理解を深めておかないと、認識違いが起こってしまいます。

医療業界で認識違いが起こってしまうと、患者さんに不利益が起こってしまうもんね💦
例えば、病院内で医師に「特定行為をやってくれ」って言われて、看護師に伝えたつもりが、搬送した消防の救急救命士が反応してしまって、特定行為を行ってしまい問題となるということも考えられるよね・・・。
病院の特定行為っていうのは「誰が行こなう行為なのか認識しておく」必要があるね。
今回のお話はとても勉強になったよ!!決して病院だけの問題ではないね!!
いつもありがとう!!
どうして、「看護師の知識がいるの」って思いますよね??
それは、消防は知識があれば一目置かれる組織だからです。
つまり【知識がある=仕事ができる】という方程式が成り立ちます。
仕事ができるという印象がつけば「救急救命士の派遣」が早まる可能性が広がります!!