海外の救急救命士事情〜4段階の資格レベルがあるって知ってた?

海外の救急救命士

こんにちは、Takeiです。

昨年オーストラリアのブリスベンを訪れる機会があり、クイーンズランド・アンビュランス・サービス(QAS)という救急機関の救急現場活動を体感することができました。QAS’s Facebook here:

今回はオーストラリアの救急事情について少しだけ掲載させていただきます。

オーストラリアの救急活動は我が国のように消防組織ではなく、独立した救急機関が担っています。

アメリカ合衆国ロサンゼルスなどでは消防組織のほか、民間救急会社も救急活動を行っています。

(我が国とは異なり民間救急であっても消防の救急隊と同じ活動・処置を行います)が、オーストラリアと同じイギリス連邦加盟国のマレーシアでは救急隊は医療機関に属しているなど世界視野で見ると救急サービスシステムの内容は様々です。

1.Paramedicの養成

我が国で救急救命士になるためには下の図のような道のりをたどることになります。

専門学校か大学で救急救命士養成のためのカリキュラムを修了し卒業することで、または各自治体の消防局(本部)に就職したのち、実務経験を得て、救急救命士養成のためのカリキュラムを修了することで国家試験受験資格が得られるという大きく分けて2通りの手段があります。

オーストラリアでは大学で資格を取得する以外は手段がないようです。

しかし(民間の)大学と(公的機関の)救急機関とが相互に連携をして、優秀なParamedicを養成していくシステムがあるようです。

具体的には救急車同乗実習などで救急機関が友好的に引き受けてトレーニングするということです。

QASのparamedicたちも学生が実習に来ることに非常に慣れていました!

 

2.大学の入学要件

実際、クイーンズランド州ではParamedic資格を取得できる7つの大学が存在します。

南クイーンズランド大学の例では3年制必修科目24単位(うち臨床実習を除く学内実習に676時間)で学内のほか、QASや医療機関で18週間の臨床実習が卒業要件に含まれています。

卒業と同時に学士(救急医療学)の学位が授与されます(Bachelor of Paramedicine)←パラメディスンっていうんですね!

  • 1年間の学費は20,000AUD(日本円で約150万円)
  • 入学要件として高校卒業程度の英語力(International English Language Testing System(IELTS:アイエルツ)で5以上のスコア)のほか、生物学、化学、物理学のいずれかを学んだことが推奨されています。

 

3.Paramedicの資格階層

Paramedicという資格のほかにAdvanced Care Paramedic(ACP)1および2、さらにCritical Care Paramedic(CCP)と、計4つの資格があり、それぞれ認められている医療行為のレベルが異なります。

最上位資格のCCPの資格を得るためにはまずQASにCCPインターンシップを申請して訓練を受ける必要があります。

CCPインターンシップ申請には、以下の必須要件を満たす必要があります。

  • 学士(救急医療学)の学位またはパラメディック科学(救急車)の卒業証書を取得していること
  • インテンシブケア(集中治療)救急医療の大学院を修了していること
  • ACP2として2年以上の実務経験を有すること
  • 自動車マニュアル運転免許証を有すること

 

  • ACPは、ラリンゲアルマスク、アドレナリン、緊張性気胸に対する脱気などの医療行為が行うことのできます。
  • CCPは、気管挿管、アトロピンやアミオダロンなどの薬剤投与を自らの判断で実施する権限が与えられています。
  • CCPは、一人でレスポンスカーに乗って救急現場に駆け付けます。

さらに都心部では迅速導入気管挿管(RSI)、開胸、外傷傷病者に対する迅速簡易超音波検査法(FAST)や輸血処置の実施などが認められたパラメディックらが出場する高感度救急隊が配置されています。

 

4.まとめ

オーストラリアではParamedicの資格は大学で、トレーニングは救急機関(日本では消防にあたる)が担当するなど役割分担がしっかりしているように思います。

我が国でも大学や専門学校生を臨地実習にと消防機関にお願いしているとことではありますが、

実際のところ救急隊の業務が忙しすぎてそれどころではないということで敬遠されているのが現状ではないでしょうか。

 

また我が国の救急救命士以上の処置範囲が認められています。

しかし、それだけの教育研修がなされているからできるのではないでしょうか。

  • 加えて、大学院で学位を取得しなければならないこと!

大学院では研究を行います。その過程で「研究のプロセス」を学び、科学的論理的な思考回路を修得することができます。

その思考をもって、Paramedic自身が行う救急活動を客観的なデータにし、分析し、何を改善しなければならないかを自らの手で明らかにしていく。私はその努力をすることによって、自らの、Paramedicの分野を進化させることができるのだと確信しています。

オーストラリアのCCP、ニュージーランドのIntensive Care Paramedic(ICP)たちはこのような思考をもって常に自己研鑽を重ねています。今年あたりはタイ王国(Thailand)もICP資格を創設するそうです。マレーシアの(救急救命士に相当する)Medical assistantの医療資格も素晴らしいです。

わたしたち日本の救急救命士が欧米だけでなく、豪州やアジア圏からも学ばなければならないことは多くあると思っています。

教科書の内容だけにとらわれるのではなく、「それってホントなの?」ってその根拠になっている海外の研究報告を調べたり、科学的思考を修得して自らの活動を分析してみることも大切だと思っています。

 

  • オーストラリアの救急について少し書いた記事が「プレホスピタル・ケア 2020年2月号」に掲載されます。
  • 興味のある方は読んでみてください。

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Takei,

 

 

 

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